東京都で放課後等デイサービスをフランチャイズ開業する

障害児サービスの利用児童数が増加傾向にあることに応じて、2012年児童福祉法改正において創設された放課後等デイサービスの事業所数も年々増加。厚生労働省の調べによると、2014年度から令和元年にかけ、2倍以上に増加している地域も多くあります。
ところが東京都では「児童1000人当たりの放課後等デイサービス事業所数」は0.76。全国平均1.19をかなり下回る結果に^(※1)（2022年2月調査時点）。需要が高まる中、受け入れ先の施設数が追いついていないことが現状として挙げられます。

23区内では比較的充足が進む一方、多摩地域や島しょ部では施設密度が低く、待機が常態化しています。加えて、一部自治体では総量規制や公募制限が導入されており、開設時期・場所の選定に注意が必要です。

東京都教育委員会の推計によれば、今後10年間で特別支援学級・学校の在籍者は約1割増加^(※2) する見込み。中長期的に見ても、療育ニーズは一層高まっていくことが予想されます。

重度障害児の受け入れ困難や、通所までに数か月～数年待つケースも珍しくありません。こうした状況に対応すべく、都は「都型放課後等デイサービス補助制度」を導入し、対象児童の幅を広げる支援も進めています。

放課後等デイサービスは「人材確保等支援助成金」「キャリアアップ助成金」などの助成金を活用することが可能です。
「人材確保等支援助成金」（雇用管理制度助成コース）^(※3)は57万円、従業員のキャリアアップに対して支給される「キャリアアップ助成金」※3は3段階に分かれており28万5千円〜57万円が、それぞれ支給される額となっています。
各種助成金の他、募集期間が限られている補助金も各種あります。補助金は主に市区町村で取り扱っているので、まずは地域の役所に問い合わせてみると良いでしょう。

東京都では、区市町村単位での独自補助制度も展開されています。たとえば、中央区は新規開設事業者に対して物件賃料を補助（開設前賃料は上限300万円、開設後も家賃1/4補助など）しています^(※5)。地域ごとに支援内容が異なるため、事前の制度調査が重要です。

加えて、ICT機器の導入補助（例：クラウド記録ソフト）、広報強化（例：HP・SNS運用支援）、送迎車両購入（例：持続化補助金・福祉車両導入補助）などを活用した実例も増えています。

申請にあたっては、以下の点に留意してください。

• 締切厳守（遅れると次年度まで持ち越し）
• 事前着手禁止（契約・発注前に申請完了が必要）
• 重複受給・書類不備による却下リスク

制度の活用有無が収支に直結するため、細部まで確認しておく必要があります。

東京都で放課後等デイサービスを開設するには、まずは開設希望地域に新規事業開設の制限がかけられていないかを確認します。
その後の流れは以下の通りです。

1. 都が開催する「指定協議説明会」に参加
2. 説明会終了後から開設希望日の4カ月前までに事前調査票を提出、事前相談を実施
3. 要件を満たしているか東京都に確認
4. 開設日の前々月の末日までに、申請書類を提出
5. 現地確認
6. 指定希望月1日付で指定

申請書類も各種揃える必要があるため、詳細は開設予定地の役所に確認してください。

新規指定の公募制限や総量規制は、各自治体が年度単位で募集枠を設ける仕組みで、先着順・抽選制の場合もあります。開設希望エリアが対象外とならないよう、早めの確認が必須です。
物件選定では以下の点に留意してください。

• 都市計画上の用途地域が「福祉施設」設置可能な区域であること
• 建物用途変更申請が必要かどうか
• 近隣騒音や送迎車の駐車スペース確保
• 浸水リスクや避難経路を含むハザードマップの確認

また、都内は全国的に賃料水準・人件費が高く、保育士の平均年収は約453万円^(※7)。求人倍率も高止まりしており、人材確保の難易度は非常に高いとされています。計画時点からの採用戦略構築が求められるでしょう。

東京都で放課後等デイサービスを開設するには、申請の手続きを筆頭に時間と労力を要することが多くあります。開業してからも、集客、人材育成、経営など不安要素が拭えないのが正直なところでしょう。
その点、フランチャイズなら、開設や運営に関するノウハウもあり、さらに短期間で開設できるメリットも見込めます。

都内で実際に稼働率120％を達成したFC事例^(※8)では、立地選定と開所前の徹底集客、保護者向けの説明会開催が奏功しています。一方で、開設後すぐに稼働が伸び悩んだ失敗事例では、立地調査不足とスタッフ確保の遅れが大きな要因でした。
フランチャイズ本部を選ぶ際は、以下の点を比較検討しましょう。

• 初期費用とロイヤリティの妥当性
• 指定申請や物件選定への支援範囲
• 研修制度の有無と充実度（管理者・指導員向け）

また、地域密着型の成功事例では、学校・家庭・地域との三位一体連携や、地元の多世代交流イベントと連動した療育企画によって、口コミと信頼を着実に獲得。ブランド力だけでなく、地域性に根ざした運営戦略が差別化の鍵となっています。

放課後等デイサービスのフランチャイズを開業するには、まず、どの本部と提携するかが重要です。
では、どのような基準で本部を選べばよいのでしょうか。
カギとなるのは、「なぜ放課後等デイサービスに参画したいのか」という想いです。
その本部の療育方針や理念に共感できるかどうかが、選定の大きな判断基準となります。
当サイトでは、どんな子どもたちを支援できるフランチャイズ本部なのかを切り口に、放課後等デイサービスのフランチャイズ本部を3社ピックアップ。それぞれの療育方針や特徴をまとめていますので、ぜひチェックしてください。