埼玉県で放課後等デイサービスをフランチャイズ開業する

障害児サービスの利用児童数は、年々、増加傾向にあり、放課後等デイサービスの事業所数も厚生労働省の調べによると、2014年から2019年にかけ、多くの地域で2倍以上に増加していることが窺えます。
そんな中、埼玉県における「児童1000人当たりの放課後等デイサービス事業所数」は0.99、全国平均1.19より下回っています^(※1)（2022年2月調査時点）。
県内の療育施設は満員状態のところが多く、欠員が出た時のみ募集がかけられているようです。需要に対し、供給が追いついていないのが、埼玉県の療育の現状と言えそうです。

放課後等デイサービスが活用できる主な助成金には「人材確保等支援助成金」「キャリアアップ助成金」などがあります。
「人材確保等支援助成金」（雇用管理制度助成コース）^(※2)は40～100万円、従業員のキャリアアップに対して支給される「キャリアアップ助成金（正社員化コース）」^(※3)は、有期雇用と無期雇用から正社員化した場合、30万円〜80万円の支給額となっています。
助成金の他、審査が通った時のみ支給される補助金も多数あり。こちらは募集期間が設けられ申請書類も多いので、自治体に直接問い合わせることをおすすめします。

人材に対する助成金以外に、設備に対する補助金があります。

代表的な制度が「障害福祉人材確保・職場環境改善等事業補助金」^(※4)です。処遇改善加算を取得している福祉事業所を対象に、職場環境の整備や業務効率化を図るための取り組みを支援します。
たとえば、業務用のICTシステムの導入や、スタッフの休憩スペースの設置といった取り組みが該当します。職員の定着率や生産性の向上が期待される施策に対し、県が費用の一部を補助する仕組みです。

昨今の光熱費や食材費の高騰に対応する支援として、「障害福祉サービス事業所等光熱費等高騰対策支援事業補助金」^(※5)も活用できます。
指定事業所に対して一定額を支給し、日常的な運営コストの圧迫を緩和することを目的としている補助金。開業間もない事業所にとっては、収支バランスの安定を図る上で心強い制度と言えるでしょう。

安全対策に特化した支援として、「障害児送迎の安心・安全対策支援事業」^(※6)も実施されています。送迎用車両の改修や登園管理システム、見守り用ICTツールの導入に対する補助制度です。
いずれも保護者の安心感を高めると同時に、職員の負担軽減にもつながり、開業時に優先的に整備しておきたい設備の後押しとなります。

放課後等デイサービスを開設するには、事業開始月の3月前までの事前協議が必要となります。事前協議後から指定申請書の提出が可能となりますが、「指定申請書」「児童福祉施設設置認可書」「登記事項証明書」など、さまざまな書類が必要となります。
申請書類の提出期間や補正期限は、事業開始月の前々月10日から20日までが提出期間で、前月10日までが補正完了の期限となっています。
書類の提出先は、事業所所在地が「さいたま市・川越市・川口市・越谷市・和光市」の場合は、各市の指定となるので、まずは各市役所に問い合わせるのが良いでしょう。

埼玉県で開業するためには、以下の流れで手続きを進める必要があります。

1. 事前相談（開業希望月の3か月前まで）
   開業を希望する市町村の障害福祉担当課に事前相談を行い、計画の概要や施設の適合性について確認します。
2. 指定申請書類の提出（開業希望月の2か月前）
   必要な書類を準備し、指定申請を行います。
3. 書類審査・現地確認
   提出した書類の審査と、施設の現地確認が行われます。
4. 指定通知書の交付
   審査を通過すると、指定通知書が交付され、開業が可能となります。

開業後は運営規定の見直しや、自己浄化の実施と公表が義務付けられています。開業後も見据え、流れを確認しておきましょう。

放課後等デイサービスの開業において、物件選定は行政による指定取得の可否だけでなく、子どもたちや保護者、スタッフに関わる重要な要素です。以下のポイントに留意し、物件を選定しましょう。

1. 活動に適した空間とレイアウトの確保
   指導訓練室をはじめとした活動スペースは、十分な広さと柔軟なレイアウトが不可欠です。
2. 用途地域と法令上の制約を事前に確認
   開設予定地が「障害児通所支援事業」に適しているかは、契約前に必ず確認が必要です。市街化調整区域・工業専用地域といった都市計画法における用途地域は、開業を制限されるケースがあります。
3. 建物の構造・耐震性・避難経路など法令適合性のチェック
   候補物件が見つかった後は、建築基準法・消防法等への適合性の確認が必要です。市役所の建築指導課、消防署、指定権者（県または市）など、最低4機関への事前確認が望まれます。
4. 周辺環境と地域との関係性
   送迎対応がしやすい道路幅・駐車スペースの確保、学校や住宅街からの距離・交通量・騒音リスクの有無の確認が欠かせません。

地域との交流を意識した施設設計も注目されています。例えば、地域の子どもも訪れることができるスペースを併設するなど、「地域に開かれた事業所づくり」が差別化を図るポイントとなるでしょう。

ここまで、埼玉県で放課後等デイサービスを開設する際に必要な助成金や開業の流れを見てきました。
開業にあたっては、多岐にわたる申請書類の提出や、集客のための戦略などの煩雑な作業が多く、場合によっては開業までに年単位の時間がかかることもあるのが実情です。しかし、経験と実績があるフランチャイズなら、開設に関するノウハウもあり、比較的短期間で開設できるメリットが望めるでしょう。

フランチャイズ本部を選ぶにあたり、以下のポイントをチェックしましょう。

• 初期費用やロイヤリティが明確であるか
• 開業前後のサポート体制が充実しているか
• 地域（とくに埼玉県内）での実績や信頼があるか
• 療育方針やプログラムに独自性・共感性があるか
• 開業後の収益モデルが現実的か、リスク管理ができているか

開業までの費用やサポートはもちろん重要ですが、どのような「支援を届けたいか？」がデイサービス事業を継続するポイントとなります。フランチャイズ本部によって療育方針に特徴があるため、埼玉にどのようなニーズがあり、どのような支援が必要なのかを把握することが大切です。

放課後等デイサービスのフランチャイズを開業するには、まず、どの本部と提携するかが重要です。
では、どのような基準で本部を選べばよいのでしょうか。
カギとなるのは、「なぜ放課後等デイサービスに参画したいのか」という想いです。
その本部の療育方針や理念に共感できるかどうかが、選定の大きな判断基準となります。
当サイトでは、どんな子どもたちを支援できるフランチャイズ本部なのかを切り口に、放課後等デイサービスのフランチャイズ本部を3社ピックアップ。それぞれの療育方針や特徴をまとめていますので、ぜひチェックしてください。